■エッセイ

2.デザイナーを目指す君へー4.(インダストリアルデザイン松坂研究室ブログ2からコピー)「プレゼンテーション」

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「プレゼンテーション」:芸人さんが人を笑わせるために言ったボケが滑らずに受けた瞬間とデザイナーのプレゼンテーションの瞬間は似ています。芸人の松本人志氏さんは、今もっとも面白い芸人さんですがそれを反対する人は殆どいないのではないでしょうか?というわけで今は松本さんを尊敬している私ですが、ダウンタウンのお二人が未だ20から30代の絶頂期の頃は、何か関西弁の乱暴な掛け合いがきつく聞こえ、素直に笑えませんでした。松本さんの本も読みました。しかし、ソニー在職当時、デザインセンターアジアでご一緒だった同僚の関西出身の後輩デザイナーH.Oさんが、ダウンタウンを天才だと言ってました。その時は理解できなかったのですが、いま毎週、松本人志さんのレギュラーの番組を見るようになっていますが、松本人志さんが天才であることはいうまでもありません。すごく面白い、人を笑わせることが大好きなのが伝わります。天才的な笑いの「間」で、ドカーン、ドカーンとうける、人を笑わせる瞬間が快感なのがわかります。なぜかというと、デザインも同じだからです。すげー頑張って、何度も何度もやり直して到達した自信作のトップへのプレゼンテーションの日。モックアップのカバーをめくり、オープンした瞬間にその空間が沈黙に包まれます。シーンとなります。次の瞬間、良くないときは気まずい空気が流れ、良いときは、それまで忌憚なく飛ばしていたアートディレクター、レジェンドTさんの顔がやられたという表情になる。当時ソニー常務だったセンター顧問のT.Iさんもモックを見た瞬間に顔がほころぶ。その瞬間がたまらなく楽しみです。それでデザインがやめられなくなるのです。