インダストリアルデザイン研究室について


 

 私の専門職としての第1期は1979年から2013年までの34年間、国内電機2社ー株式会社東芝デザイン部(退職時の名称)7年間と、ソニー株式会社クリエイティブセンター(退職時の名称)27年間のインダストリアルデザインの実務経験、第2期は2013年から2022年までの大分県立芸術文化短期大学での専任教員と地域企業へのデザイン支援活動、第3期は現在の個人事業(インダストリアルデザイン松坂研究室)となります。


 私の専門職の強みはインハウスデザイン部門で鍛えた製品デザインクオリティーに対する非常にシビアな目と経験、デザインマネジメント・デザイン教育にあります。プロダクトデザインでは、製品デザインコンセプト、製品デザイン、ビジネスデザイン提案です。また、デザイン教育を通して製造企業のデザインコンサルティングやコーチング、地域技術センターとの連携を通してデザインと無縁であった企業様へのご指導、企業や市民のためのデザインビジネス講座を行いました。それらの機会を生かして改めてデザインの本質についての研究や導入のノウハウなどを学びました。しかしながら、例えば、グロピウスやミースファンデルローエ、ル・コルビジェの師匠が同じ人であり、同じ事務所出身であり、その巨匠を育てた芸術家が世界で最初のインダストリアルデザイナーであったこと、なぜソットサスがメンフィスを起こしたか、なぜ倉俣さんと息があったかなど疑問に思っていたことを実は全然理解していなかったことなどを知りたいと考えるようなりました。それは、専門家といいながら長年企業の第一線で仕事として修得したデザインの経験や知識は教育の現場ではほんの一部であり、また知らないことのあまりにも多いいことを知りより探求してみたいと思ったからです。それらの知識は、あらゆる知識が結びつくデザインの仕事においてデザイン史から現代の都市の環境デザインにいたるまでデザイナーの目で世の中を良い方向へ誘うような視点の重要性など本研究所では大学のデザイン研究で自覚した知識とスキルの不足の部分を全方位的に学んでいきます。


                                                    4月5日 松坂 洋三