■エッセイ

2.デザイナーを目指す君へー11.(インダストリアルデザイン松坂研究室ブログ2からコピー)「形態は意味に従う」

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「形態は意味に従う」


 現代の造形デザインは、機能的合理的なデザインが数の上では主流であり続けるが、「次のデザイン」がそれらを過去の様式としている。「形態は機能に従う」からハルトムット・エスリンガーは「形態は感情に従う」といった。「次のデザイン」は「形態は意味に従う」デザインだ。「次のデザインとは「意味のデザイン」であることを述べたが、それはバウハウスの流れ汲む機能的なデザインとは異なる。その製品は何であるか意味が造形を決めるデザインである。それには設計の制約を受けないデザインであり、製品デザインの理想を追求したデザインの次元だ。2000年以降そのような「次のデザイン」がプロダクトデザインの指標として様々な製品が出てきたように思う。その代表格がダイソン氏であり、ダイソン氏の扇風機だ。デザイナーであり設計者である以外に究極の美しいデザインは実現できないということかもしれない。車のデザインを追求すると結局設計を自らしなければならないと中村信雄氏は自動車雑誌のインタビューで答えていたがそういうことである。美しいとは何か?プロダクトデザインを追求していくとこの命題に到達する。このデザインは美しいか?その命題こそプロダクトデザインの本質である。そこには製品デザイン美といったようなものがあり、デザイナーが少しでも美しいものを作りたいという執念の結果であり、その製品の「あるべき姿の追求」である。美しい製品デザイン実現にはデザイナーが習得した造形感覚、造形のセオリーといったものが生かされており様々な言葉で表現を試みることができる。